先日、小野が「SPring-8夏の学校」に行ってきました。
充実した4日間を過ごすことができましたので、ご報告しようと思います。
初日、僕がひとりで相生駅(SP8の最寄り)に降り立つと、なにやら食糧が詰まったビニール袋を抱えた行列ができていました。どうやらSPring-8行きのバスに並んでいるようです。怖くなった僕もコンビニに走り、お菓子を買い込みました。数十分後には僕も理由を知ることになります。SPring-8は山奥にあるのです。
SPring-8に行くには、相生駅から30分くらいバスに乗ります。その道中は木々が生い茂っており、どんどん山が深くなっていきます。どんな僻地につれていかれるのかと不安になりながらも、あるところを抜けると、町として整備された地域に入ります。
そこではモダンな雰囲気のある建物が並び、きれいに刈り揃えられた街路樹がヨーロッパの郊外の街並みを思わせます。意外とおしゃれな街なのかもしれません。
ホッと一安心したのもつかの間、不思議とひとの気配がないことに気づきます。それもそのはずで、スーパーやコンビニが全然見当たらないのです。空腹になったらどこに買いに行けばよいのだろう。そんな新たな不安が胸をよぎった頃にはSPring-8に到着です。
コンビニに寄っておいてよかった……!
そんな僻地に存在するSPring-8ですが、文明から隔絶されている代わりに宿舎が豪華です。毎日清掃が入ってタオル交換してくれる、バス・トイレ別、「ふろ自動」付き、などなど。湯船に浸かればビームタイムの疲労も癒えそうです。
また、さすが山奥なだけあって、そこらの芝生では当然のように鹿が草を食んでいます。滞在中はほぼ毎日鹿を目撃しました。人に慣れているので近づいても逃げませんが、なんとなく嫌な顔をされます。それはそれでかわいいです。
さて本題の夏の学校についてです。
講義では放射光の出し方から測り方、代表的な計測までじっくり二日間学びました。いつもPFで放射光実験をしているのに、知らないことばかりでした。電子ってあんな風にリング中を飛んでるんですね。
実習は「高X線光電子分光(HAXPES)」と「軟X線光電子ホログラフィ」をやらせていただきました。いずれも光電子分光でありながら、ちょっといつもと違うことをやっているので興味深かったです。なにか自分の研究につかえないかなーと考えています。
だらだらと書き連ねてしまいましたが、総評して「とても楽しかった」です。
上では書きませんでしたが、参加者は分野が様々で、しかも真面目に研究している方ばかりなので、おしゃべりするだけでとてもお勉強になったとおもいます。実習も楽しいし、宿舎も素敵だし、かわいい鹿もいるのでみなさんぜひ参加してみてください。
M1 小野