2016年度第10/11回定例報告会

2016/9/2 第10回定例報告会
角「フタロシアニン分子のバリアハイト計測」
明神「コロイド触媒の熱凝集と 触媒性能」


2016/9/9 第11回定例報告会
生津「Pd(110)の水素吸蔵反応の同位体効果」
坪井「 超高配向Picene薄膜の創成」



現在、ドクターコースの長谷川さんがスペイン、渡邉君はQSTに修行に出ていて、研究力が弱まるかなと思ったのですが、下の世代の研究能力が急成長していて、夏休み中の研究室としてはなかなか良いパフォーマンスです。


朝イチのゼミから始まって、そこから夜まで水素吸蔵実験をしたり、鉄板の上に新装置を組み上げたり、鉄板を落としたり、微妙な100meVくらいのバンド分散を解析したり、金のこでインポンプを切断したり、突然産総研にディスカッションに行ったり、謎のNEDOプロジェクトの無理難題を打ち合わせたり、またなぜかKohn-Sham方程式をNumerov展開してトンネル確率を数値計算したりと、皆さん毎日めまぐるしい動きです。


最近打ち合わせで NIMSやAISTに行くと、ほとんど毎回、学生がわからないなりにもガッツで無理くりに世界の先端に挑む研究をしているすがたが羨ましいと言われます。そして、そんな非効率なことを楽しむこと学ぶというのが、大学研究室の大きな役割の一つと自分には思われます。研究室で楽して卒業要件を満たすことも、もちろん何も間違ってはないのだろうけれども、これは単純につまらないし、またきっと今後の社会では「要件満たしとけばOK」的なことは大した意味を持ち得ないから、この姿勢はあまり何かの役に立ちそうもない。まあ多くの研究者(自分の周りだけかもしれませんが)がそういうのだから、いわゆる根性論的なことには結構な真理があるのではないでしょうか。


騙されたと思ってまずやってみる、というのはうまいこと言ったもので、こういうのこそがいつになっても「学び」の本質に近いことかと思われます。と、実際少し騙されている気もしないでもない、とある共同研究の打ち合わせをしながら思いました。  (山田)